脅威のヘルペスウイルス

ヘルペスウイルスは重度の疱疹の症状を引き起こす可能性がある危険なウイルスです。
ヘルペスウイルスによって引き起こされる各種の症状のことを合わせてヘルペスと呼んでいます。

ヘルペスウイルスは二本のDNAから成り立っていて、いくつかの異なる種類が存在しています。
その中でも多くの人にヘルペスの症状を引き起こす原因となっているのが単純ヘルペスウイルスです。
このウイルスは皮膚や粘膜を通して、体の内部に侵入する性質を持っています。

ヘルペスウイルスは本体の外側がエンベロープという膜状の物質で覆われていますが、このエンベロープを感染した人間の細胞と融合させることで、患者の細胞を侵食するのが特徴です。
ヘルペスウイルスはエンベロープの内部に特殊なタンパク質を保有していますが、人間の細胞に侵入したウイルスはこのタンパク質を人間の細胞内部に放出することで、各種の症状を引き起こさせます。

ヘルペスは神経に沿って感染するウイルスで、特に神経節と呼ばれる神経のつながりの部分に潜伏する性質があります。
ウイルスは同じ場所だけに止まらず神経を通して体中に広がっていく場合もあります。

ヘルペスウイルスがもたらす症状の中でももっとも典型的なものが神経の痛みです。
体中の広い範囲で痛みやしびれなどの症状が発症するのが症状の特徴です。

単純ヘルペスの場合、体の内部に一度侵入した場合、完全に根絶するのが難しい性質を持っています。
そのためにウイルスの感染者は長期間にわたって神経の痛みに悩まされる場合もあります。

単純ヘルペスは神経のほかに唇などにも感染する場合がよくあります。
唇に感染した症状のことを特に口唇ヘルペスと呼んでいます。
唇だけでなく歯ぐきなどにもウイルスが感染する場合があり、感染した場所は水ぶくれの状態になるのが特徴です。
同時に感染部分が痛みを引き起こして、食事などをする場合にも困難が生じます。
単純ヘルペスの引き起こす症状としては、性器に感染する性器ヘルペスという症状もあります。

ピリピリと刺すような痛みなら帯状疱疹

ヘルペスは単純ヘルペスのほかに、帯状疱疹と呼ばれる症状を引き起こす種類のウイルスも存在します。
この種類の中にはウイルスは帯状疱疹のほかに、水ぼうそうの症状を引き起こすものもあります。

帯状疱疹に感染した患者は、体内にピリピリとした刺すような痛みが発症するのが特徴です。
痛みが生じた場所には帯状に斑点が現れるために、帯状疱疹という名称がつけられています。
斑点の一つ一つは小さいですが、全体が赤みがかっていてふくれているので、外部からも見分けやすくなっています。

帯状疱疹は特に高齢者に発症しやすいのが特徴です。
この症状が発症する高齢者には共通する経歴があり、それは小児のころに水ぼうそうにかかった経験があることです。
水ぼうそうも単純ヘルペスと同じようにウイルスが体内に侵入することによって起こります。
そのために日本では一歳になった小児を対象として予防接種が義務付けられているのですが、このウイルスは単純ヘルペスと同様に体の中から完全に消滅させることができにくい性質を持っています。
そのために子供の頃に水ぼうそうに感染した人の体内には、長期間ウイリスが潜伏している場合があり、それが再発の症状を引き起こす可能性があります。

高齢者に帯状疱疹の症状が起こりやすいのは、免疫力の低下が大きな原因となっていますが、この症状は若者にも発症する可能性があるので注意が必要です。
特に日常生活で多くのストレスを感じている若者などは、知らず知らずのうちにストレスが原因による免疫力の低下が生じている可能性もあり、それにより体内に潜伏したヘルペスウイルスが症状を発症させる場合もあります。

なお水ぼうそうは他人に感染する可能性がありますが、帯状疱疹は他人にあまりうつらないという性質をもっています。
うつらないといっても完全にその可能性がないわけではないので、注意も必要です。