侮るなかれヘルペスからHIV感染へ

ヘルペスは性感染症のひとつとして知られている病気です。
原因となるウイルスはヘルペスウイルスの一種で水ぼうそうや帯状疱疹を起こすヘルペスウイルスと同じ種類のものです。
このウイルスが唇について発症するのが口唇ヘルペスで、性行為を原因として感染するものが性器ヘルペスと呼ばれ性病の一種になります。

ヘルペスが発症した時におこる特徴的な症状が皮膚に水ぶくれや潰瘍ができるということです。
水ぶくれができているということは浸出液など体液が体の外に出てくる可能性があり、そこからさらに他の人に感染を広げます。
性器ヘルペスは性病なので、性行為の際に水ぶくれの中にあるウイルスが他の人の体につくことで感染が広がります。

また水ぶくれができていたり、潰瘍ができている部位は皮膚がただれている状態なので、他のウイルスなどの病原体が体の中に入りやすい状態になっています。
ウイルスや細菌が体の中に入って感染症が広がる時には、皮膚がある部位では皮膚がバリアの役目を果たし、病原体が体内に入らないような役目を果たします。
これに対して皮膚がただれているなどして皮膚の表皮がなくなっている部位では病原体がすぐに体内に入ってしまいます。

こういった理由でヘルペスに感染しており、潰瘍や水ぶくれがある状態の人は、他の感染症にもかかりやすい傾向があります。
エイズを起こす原因とされているHIVも同じで、傷のない皮膚と皮膚が触れただけでは感染はおきません。
そのため、HIVに感染している人と接する時には、必要以上に接触を避ける必要はありません。

ただし、ヘルペスウイルスに感染しており、皮膚がただれた状態の時には、相手の血液や粘液が表皮が剥がれた部位につくと簡単に感染を起こしてしまいます。
性行為をした時には皮膚と皮膚が直接触れ合う機会が多くなりますし、精液や粘液が皮膚につくことも珍しくありません。
そうした時に皮膚のただれた部位からウイルスが入ってしまうとHIV感染を起こしてしまいます。

HIVとエイズの違いは?

HIV感染というと同じような病気にエイズがありますが、このふたつは少し意味が違います。
HIVはエイズを発症させる原因となるウイルスの名前で、HIVに感染をしても、全ての人がすぐにエイズになるわけではありません。

HIVに感染をしても、体の免疫力が高い状態がキープできている時にはウイルスが増殖することはなく、エイズを発症せずにいつも通りに過ごせます。
しかし、免疫力が下がった時にはHIVウイルスが異常に増殖をしてエイズを発症させます。
エイズになると色々な病気を引き起こし、最終的には命を失います。

エイズを発症しているかどうかをはかるものに指標疾患というものがあり、カンジダ症、細菌感染症などの病気が挙げられています。
これらの指標疾患を発症した時に他の症状などと合わせて、エイズを発症していると診断がされます。

そのため、HIVに感染しているということがわかっても、エイズを発症していなければ、すぐには死なないということになります。
しかし、感染がわかった時点で、出来るだけ早く抗HIV薬を服用してウイルスが増えないように治療を開始することが大切です。
抗HIV薬を服用しながら、血液検査などをして体の状態を把握するようにします。
その検査結果に応じて抗HIV薬の種類や量を調整して、エイズを発症しないようにすることが、死なないようにする唯一の方法です。

HIVに感染をしたからと言って、すぐに死んでしまうと悲観的になる必要はありませんが、適切な治療を受けることが大切です。
もしも、エイズを発症してしまうと、免疫力が下がり様々な感染症に同時にかかってしまうので、治療ができなくなります。
そうなる前に、効果のある治療を行うことが大切です。